◆事業概要:繊維工業(手拭きアイテムの開発・生産・販売)
◆ホームページ :http://shop.oriduru.net/
◆起業年月 :2013年10月
◆家族構成 :夫、息子
きっかけは、息子が幼稚園でハンカチを携帯するように言われたことです。
市販の移動ポケット(編集部注:小さい子供が服に着ける、ハンカチなどを入れるための外付けのポケット)に改善の余地を感じ、「もっと使いやすい移動ポケットを作って販売しよう!」と思い立ちました。そして、創業補助金に応募し採択されて事業をスタート。ところが、価格帯などで市場にある他の商品と競争ができず窮地に追い込まれてしまいます。
そこで競争力をつけるためにもっと安くて使いやすい商品のアイディアを出し、今度は
小規模事業者持続化補助金に応募しました。この採択を受けて、手拭きアイテム「ふくッチ(写真参照)」の開発、生産、販売事業をスタートし、今に至ります。
起業の魅力は、自分の好きなことができること。起業の目的は、自分と同じような悩みを持った人達の問題を、自分の考案した商品を通じて解決するお手伝いができることです。
創業・ベンチャー支援センター埼玉や知的財産総合支援センター埼玉に、事業開始前から度々足を運んで相談をしていたことが、スムーズな起業の助けになったと思います。20代の頃に勤めていた会社で身に着けたホームページ制作のスキルも、自身のネットショップ構築の際に役に立ちました。
事業開始当初、縫製に関する知識を持ち合わせていなかったので、学びながら商品開発・生産していくのに苦労しました。
もともと家庭を大事にしたくて「将来は子供を傍で見ながら在宅でできる仕事を!」という想いで20代の頃にホームページ制作のスキルを身に着けたくらいなので、30代で起業してからも、家庭のことはよく考えます。
仕事と家庭のバランスをとることは難しいですが、今は事業がとても大事な段階にあるので、基本的に仕事を最優先にしています。家事の優先順位は下げて、時間に空きができたときに、まとめてやっつけるようにしています。そのせいで部屋は散らかりがちですが、何もかもはできないので、「今は仕方がない」と割り切っています。
事業計画は大事だと思います。私は補助金制度を2回利用しているので、2回とも応募時にきちんと事業計画書を作っていますが、計画を立てるタイミングで「大丈夫かな…」と少しでも心配に思う点があったら、きちんとクリアしておかないと、やはり先々そこでつまづくのだなということを感じました。
客観的視線で見ることの大切さにも、事業を推し進めていく段階で気付かされて、相談機関にまめに相談をするようになりました。相談をすると、「絶対にこうだ」と思っていたことでも、「そういう考え方もあるのか」と冷静に判断ができるようになって、助かることがあります。